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「登山学校・基本コース」
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 第9回[第9コース/テーマ:山の花、その他]
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全員でゴール(苔寺谷の標識「51」)
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愛宕山と嵐山渡月橋
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左=アセビの花  右=カギカズラ
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苔寺谷へ急坂を下る
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 19日日曜の早朝はかなり冷え込んだが、集合の9時頃になると既に角の取れた気温となっていた。場所は嵐山公園・中之島地区の東端の東屋前。この日は、山岳連盟四方会長の参加を得て、スタッフ8名、受講者31名の総勢39名で、3班に分かれて出発した。
 学校での基本課題のひとつは「読図」である。各回別のテーマはありながら、読図の習得というテーマは全実習に通底している。
 集合地点、そして阪急嵐山駅前からの歩き出しは山行の第一歩なので、コンパスを使い各々自分が考え、自分が決めて進み出してもらう。とくに、街から山へと入って行く「取付点・登山口」は、予めしっかり地形図を読んでおかなければ、気づかず通り過ぎると山へ登れずに帰って来ることとなる。
 通例となった先頭交代制で歩き、竹林〜山腹の道〜尾根に乗る〜尾根道と、現場観察を丁寧に行った。尾根上の木の間から見える『いわたやまモンキーパーク』や愛宕山は、読図の最適な教材になってくれた。松尾山頂上下はトレイルでは珍しいミニ周回道で、同じ十字路に戻って来る。そのことを確認してから登り出し、保津峡への分岐、松尾山の山頂は重要なポイントとしてしっかり立ち止まった。十字路に戻って、コンパスで進路を確認してから下る。
 下ると、地形図でもっとも白く見える平坦な尾根上に出る。これは判り易かったと思う。ただ、そこから南進する尾根道には、小ピークが三つあることが読み取れ、実際にその三つが特定できるかをやってもらった。アップダウンを肌で感じることが大切である。
 また、その三つのピークはコースでも見どころの部分で、一つ目と二つ目は秦氏の古墳群がそこここに見られ、当時の権勢が想像できる。三つ目にはトレイル上唯一の図根点(三角点の補助的役割)の標石がある。見通しの利かない地味な尾根道にもかかわらず、ロマン溢れる歴史遺産として、石の遺物と近代測量技術の基となった石が立て続けに現われる。味わい豊かなコースであることを、知っていただけたであろうか。
 コースの主題は「花を楽しむ」だが、残念ながら今年はとくに春遠しで、見られたのはアセビ(馬酔木)の白い花だけであった。他には、下山途上の左右にクロバイ(黒灰)という木があり、枝葉を燃やした灰を媒染剤(染料と繊維を媒介して固着させる薬)として使って来たことを、校長から教わった。
 西芳寺川に降り立つと、トレイル最後の標識西山「51」が待っていた。当然、全員集合写真の皆の顔には達成感にあふれた明るさがあった。

 いつの間にか気温は16度になっていた。街歩きで嵐山に戻る途中、毎年立ち寄る松尾大社で、今年は京都府の天然記念物に指定されているカギカズラ(鉤葛)の幼木を見ることができた。関西より南の地方ではよく蔓延して迷惑がられているという。それは、蔓の節々に水牛の角を細く小さくしたような形のクルッとした鉤爪が出ていて、側にある木の木肌をガッチリ掴んで絡み、伸びて行くからだそうだ。こんな出会いがきっかけで、植物にも興味をもっていただけると学校としても嬉しい限りだ。
 ほぼ予定どおりの時間に嵐山へ戻り、『レストラン嵐山』での恒例の打ち上げ会(?)・反省会(?)に突入した。なんと痛む肋骨をさすりながら、湯浅理事長も駆けつけていただいた。食事の後、受講者一人ひとりから感想をお聞きした。その中で皆勤・精勤の方々には素敵な賞品が贈られた。途中参加の人からは、「そんな賞があるなら、絶対これからも続けて参加するわ」という声が上がった。仲間づくり、知識や技術の習得、新たな世界への一歩、京都一周トレイル踏破。登山をより安全により楽しく、「登山学校」は少しくは役に立ったようである。
 スタッフは自らの成長の場でもあることを喜び、校長は今後の発展を熱く語り、理事長・会長からも励ましの言葉をいただいた。

 2016年度の『京都府山岳連盟「登山学校・基本コース」』が終業した。今期は、秋にスズメバチの襲撃という大きなアクシデントもあり、危機管理という点では反省点も多い。そう、期末の打ち上げ会は受講者にとっては嬉しい卒業式であるが、スタッフにとっては反省の場でもある。
 最後に、真摯に室内講習と登山実習に参加していただいた多くの方々に感謝するとともに、皆さんの登山ライフがより豊かなものになることを願います。(Y.T)


《時間記録》
 実施日=3月19日。参加者=39名(受講者=31名+スタッフ=8名)
 嵐山公園中之島地区出発(9:20)〜松尾山(11:00)〜標識「51」(12:30)〜松尾大社(12:55)〜
 「レストラン嵐山」13:45/解散=15:40)
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