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「登山学校・基本コース」
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 第5回[第5コース/テーマ:登山のマナ−]
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左=大原のカブラ畑  右=高野川の風景
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左=静原で地形の確認とコンパスを使っての実習  右=静原神社横の公園で「山のマナー」の復習
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薬王坂で
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 10月11日の室内講習では、山本副校長による“思慮分別のある大人の登山のすすめ”の講義を聞いた。一つの山行で、家を出る前の準備段階から始まって、交通機関で登山口に着くまでのアプローチと登山行動中の様々なマナー、ゴミやトイレの問題、集団行動での注意点など、細部まで気配りの行き届いた登山活動を示していただいた。登山人口が増え、自然の中に入っても、とかく他者と接近することが多い昨今。“イラッとすることがあっても、心の中をマナーモードにして対処する”という言葉が印象に残った。また、登山のマナーとは、人に対してのことだけではなく、自然に対しても非常に重要なことであり、自然は人間だけのものではないことを肝に銘じなければならないと締め括られた。
 19日の実習は、戸寺から鞍馬までを二つの里(大原・靜原)、二つの峠(江文峠・薬王坂)を繋いで歩く。このところ週末毎に台風がやって来て鬱陶しい天気だったのが、一転して突き抜けるような青空となった。今回の出発点は、戸寺薬師堂前でトイレあり。9:30に受講者45名とスタッフ8名が集合。日陰はキリリと冷たいが、日向はポカリと暖かい。山本講師のストレッチの掛け声が、いつの間にか“大原のおつう伝説”の語りになるのは御愛嬌。15名ずつに分かれ3班で出発する。
 テーマの“マナー”を行動の中で意識しつつ歩く。とくにこのコースは、山よりも里の中の部分が多い。キーワードは“歩かせてもらっている”。そして、それと同時に前回から始まった読図の練習を引きつづき行動に組み込んだ。歩き出してすぐ、大原名物の地鶏の威勢のよい鳴き声がすぐき畑に響き渡り、その声を背景にして“おつう伝説”の後半を聞くことができた。またすぐに、コンパスを使って金毘羅山を同定。分岐点の確認やコースと出合う細かな谷を地形図の上で探す。そうしているうちに、人家の間を通り、車道を歩きでマナーにも配慮しなかなかに忙しい。
 12:20、靜原児童公園で3班揃って昼休憩をとる。建て替えられた新しいトイレのお世話になる。出発前に講師から、ここまでの行動のマナーチェックが入る。堅い話だけではなく、気根(乳状下垂)を伸ばした公園内のイチョウの木の神秘の解説もあった。13:00、靜原神社の杉の巨木の間の石段に並んで集合写真を撮り出発。
 途中、箕ノ裏ヶ岳をコンパスで同定してから、薬王坂のキツイ傾斜を喘登する。峠では全員が集合し、いま一度登山のマナーを省みる。里の道から山の道への変化に対処すること、パーティ内での役割、リーダーへの協力、下山後のクールダウンなど。最後に、狭い峠で犇めき合った写真を一枚。下り切る手前では、講師からハイイロチョッキリ虫(オトシブミの仲間)が切り落としたアラカシの葉枝を見せてもらった。
 鞍馬の町は、三日後の火祭りの準備に大忙しの様子だった。邪魔になってはいけないと、街に出るまでの地蔵寺の前で集合し点呼を取る。全員無事下山。
“登山のマナー”について考えると、準備段階から家に無事に帰って来るまで、全行程が対象となる。人に対して、自然に対しては勿論のこと、遭難対策も自分に対するマナーとも考えられる。なかなか一日の実習では網羅しきれない内容だ。今後、第6コースの「自然を楽しむ」にも、第7コースの「事故の対応」にも関わってくるテーマであり、山を登る者ならずっと意識しつづけるべき課題であろう。とくに“自然に対して”は、社会全体の問題でもあり一筋縄ではいかない。ただ、今回山本講師がイチョウやチョッキリ虫の話をして下さったように、身近な自然に興味を持つことこそが、自然に対するマナーの第一歩ではないだろうか。
 豊かな気持ちになった一日だった。(T.Y)
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